米国がベネズエラ沖でタンカーを拿捕し、原油価格が上昇
イスタンブール、12月11日(Hibya)-米国がベネズエラ沖で制裁対象となっている原油タンカーを拿捕したことを受け、両国間の緊張が高まり、供給途絶が続くことへの懸念が強まる中、原油価格は上昇した。
ブレント原油先物は27セント(0.4%)高の1バレル=62.48ドルとなり、米国産ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油は33セント(0.6%)高の1バレル=58.79ドルまで上昇した。
アナリストらは、米国がベネズエラ沖でタンカーを拿捕したとの報道を受けてWTIが急伸した点に注目し、さらにウクライナがロシアの「シャドーフリート」に属する船舶を攻撃したとのニュースも、この上昇を後押ししたと指摘した。
アナリストによれば、こうした動きにより、ウクライナで和平合意が締結されない限り、年末までWTI価格は1バレル=55ドルのサポート水準を上回って推移するとみられる。
米国のドナルド・トランプ大統領は水曜日、「ベネズエラ沖でタンカーを1隻拿捕した。巨大なタンカーで、本当にとてつもなく大きい。実際これまでで最大級の1隻だ。そして、ほかにもいろいろなことが起きている」と述べた。
トランプ政権の当局者は船名を明らかにしなかった。英国の海事リスク管理グループであるヴァンガードは、拿捕されたタンカーは「Skipper」という名前だと考えていると述べた。
原油市場のアナリストらは、積み込みリスクが急速に高まっていることから、アジアの買い手がベネズエラ産原油に対して大幅な値引きを要求していると強調した。
一方で、ウクライナの海上無人機は、黒海のウクライナ排他的経済水域を通過していた、ロシア産原油の輸送に使用されるタンカーを攻撃し、行動不能にした。
投資家は引き続きウクライナ和平協議の行方に注目している。英国、フランス、ドイツの首脳は、ウクライナでの戦争終結に向けたワシントンの最新の和平努力について協議するため、トランプ大統領と電話会談を行い、このプロセスを「重大な局面」と表現した。
米国の政策面では、深い対立を抱える米連邦準備制度理事会(FRB)が予想どおり利下げに踏み切った。アナリストらは、低金利は消費者の借入コストを抑える一方で、経済成長と原油需要を押し上げる可能性があると指摘している。
日本のニュース通信社 Japan News Agency